薬師寺 修二会花会式結願 鬼追い式に行って来ました。

奈良の行事

シブくてカワイイ仏像グッズのマシュロバです!

2024年3月25日から3月31日にかけて行われた薬師寺修二会花会式最終日に行って参りました。

埼玉から奈良に移住してもう15年になりますが、お寺さんの法要らしい法要にちゃんと参加したことが無く、行こう行こうと思いながらだいぶ長い年月が経ってしまいました。幸い、奈良でも親しい友人ができ、しかも仏像好きで奈良が好きでお寺の法要によく行っている友人に今回花会式に一緒に行ってもらうことが叶いました。

なかなか一人で右も左もわからない謎?の儀式に参加することはハードルが高いので近くに法要マスターがいるなんてめちゃくちゃ心強いと思いませんか。もちろん、自分で調べられることは調べて下準備などもして参加させてもらいました。

修二会とは奈良の大寺が国家の繁栄と五穀豊穣、万民豊楽などを祈る春の行事で薬師寺修二会には十種の造花がご本尊に供えられることから「花会式」と呼ばれています。「練行衆」という花会式に参篭する僧侶が一週間の法要を勤め、最終日の夜には鬼追い式が法要の結願を飾ります。

薬師寺に着いたのは夕方の18時半頃。今回は日曜日でしかもお天気も良かったのでいつもよりたくさんの方が来られていたようです。私は初めての参加なので行事の規模も人出もわからないのでほほぅこのくらいの人数かぁと思いました。ものすごく人が多くて混雑してる訳でもなく少ないなぁと思うほどの人数ではありません。人混みだけど耐えられる密度な感じです。

ちょうど練行衆の方々による初夜と呼ばれる法要の前に松明を放り投げて神々に捧げる「神供」が行われていました。

火を放り投げる?

はて、燃え滾る松明を観客が見守る真ん前に投げるとは??投げられた松明をすかさず僧侶の方や係の方が足で踏んずけて火を消していました。普通に見ていましたがよくよく考えたら国宝だらけの境内では危険な行為…なのでは?まぁまぁここでそんなことを言っていたら次にやってくる「鬼追い式」なんてド級の危険極まりない行事なんでここは穏便に、次にいきましょう。

午後7時になり初夜の行法(結願法要)が始まりました。金堂の扉が開け放たれて、中にいらっしゃる薬師三尊像の全身を拝むことはできませんでしたが、透けた几帳越しになめらかな日光月光菩薩さまの腰つきが見えてうっとりしていました。

素敵な腰つき

練行衆の方たちの力強い読経が聞こえ、広い境内とライトアップされた金堂、東塔、西塔の空間に「南無薬~」の声が響き渡り、何とも言えない厳かな空気に包まれました。

炎と煙そして西塔・金堂

そして、いよいよ鬼追い式が始まります。金堂の前には鉄製のフェンスとステージがあり、そこの四隅にある大きな松明に火が付けられ、煙がもくもくと上っていきます。そこへ既にキレかかっている五人の鬼さんが登場!手には大きな松明を持って一人ずつステージへ向かいます、が、松明で観客を煽りながら火の粉をまき散らしながら臨戦態勢でステージ上へ!

鬼の出番!

危ないどころの騒ぎじゃない。

暴れ狂う鬼たち

松明を振りかざしながらステージや竹に叩きつけ、火の粉が飛ぶ飛ぶ!その松明をひとしきり叩き終えたら観客にブン投げるっ!そして係の人がすぐさま新しい松明を鬼に手渡す!暴れる、叩く、ブン投げる!また松明を入手、暴れる、の繰り返し!ひー!なんて激しい行事なんだ!初めて間近で暴れ狂う鬼を見て大興奮。そう言えば鬼追い式が始まる前に係の方が「危ないので近寄らないでくださいね、けが人が出たら途中で中止になっちゃいますから」と言ってましたが、鬼の方から松明をブン投げてくるので避けようがないし、マジで松明当たってる人いたし、子どもは泣き喚くし大人も大騒ぎ!でもなんですかコレ、クセになりそうな儀式じゃありませんか!あんなバイオレンスでデンジャラスな火祭りが国宝のある芝生の境内で行われるなんて最高!国宝?だから何?と言わんばかりの法要。ほんと奈良って懐が深すぎる!

本物の鬼みたい

途中、鬼の暴れっぷりに一種の憧れのようなものを感じ「私も鬼になりたい」「暴れたい」などと思いながら炎と火の粉が舞い飛ぶ奈良の一大イベントを見させていただきました。

鬼の大暴れも終盤に差し掛かり、毘沙門天さまがお出ましになり鬼たちを鎮めて、鬼追い式は大興奮の中終わりました。そして!松明の燃えカスの竹をゲット!なかなか長い竹を手にすると友人や周りにいた見知らぬマダムたちからええわぁその竹、縁起ありそうやねぇと言ってもらえました。

法要後は金堂の中に入れたので竹を持ちながら薬師如来さま、日光月光菩薩さまにご挨拶をさせていただきました。その金堂で法要の時に練行衆がまいた散華が落ちており、友人が機転を利かせてくれたおかげでその散華をいただく事ができました。

焦げた竹と散華と東塔

帰りは長めの焦げた竹を持ちながら電車に乗り、手に竹を持ってハンドルをにぎって自転車を漕いで帰ったのでした。

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