高野山一人旅【後編】

シブくてカワイイ仏像グッズのマシュロバです!

高野山一人旅の続きです。

前編はこちら

お世話になる宿坊「持明院」さん

高野山に来たからには宿坊に泊まりたい!ずっと前から宿坊に憧れ続け、やっと、しかも高野山の宿坊に泊まれる…!そんな喜びがMAX状態で宿坊へ向かいました。チェックインは予め17時に設定しておいたのでそれまで金剛峯寺、大門、壇上伽藍、霊宝館、おもしろ高野山お土産グッズを物色してから今回お世話になる持明院さんへ。

持明院

門をくぐって受付へ。するとお坊さんが待ち構えていてくださり、無事にチェックイン。櫻田を櫻井に間違われていたけど全然そんなこと気にしない気にしない。

ひとりにしては広いお部屋

「白檀」というなんとも香しいお名前のお部屋に通していただき一先ず休憩。

お庭が見渡せる

あぁなんて贅沢な時間だ。これを独り占めできるなんて一人旅は最高以外の言葉が浮かびません。

ええ雰囲気

宿坊の中をうろうろと探索していたらうっかり厨房に足を踏み入れてしまい気まずい感じなってもお坊さんは優しく微笑んでくださいました。

宝珠!ええ名前や

お寺に泊まらせていただくってこんなスペシャルな体験、貴重すぎますね。あくまでもお寺ですからね、失礼の無いように過ごしたいものです。

夕食の精進料理

夕飯はもちろん精進料理です。高野山に行く数日前から食べるものに気をつけてきたので肉も魚もなくてもなんとも思わないしむしろ調子が良いというか、お腹が楽でした。夕飯も美味しくいただいた後、これまたスペシャルなイベントに向かう準備を始めました。

青葉まつり 前夜祭 高野ねぶた奉燈行列

なんと、今回の高野山一人旅は弘法大師空海のお誕生を祝うお祭りのある日にかぶっていたのです!2月に予約した時点では全く知らなかったお祭り。まさかたまたま選んだ日程に空海さんのお祭りが重なるなんて誰が想像したでしょうか(そりゃ高野山マスターなら知っていたと思いますが)とにかくラッキーが重なったのでこれはお祭りを楽しむしかない!祭り好きの血が騒ぐ。

19時45分ごろにねぶたが宿坊の前を通るらしいので時間を見計らって外へ出ました。

うっすら細ーい月が見える

だんだんと暗くなっていく高野山の夜、祭囃子が遠くから聞こえてきます。祭囃子?ん?これは音頭だ、大師音頭だ!

キター!

暗闇に浮かび上がる光を放ちまくるお大師さまのねぶた。空海さんを導いたといわれる二匹のわんこも一緒に凛々しく光を放つ。

いかつめの空海さん

町の方たちが製作されたというねぶた、すごいです。お大師さま愛に溢れています。当たり前に見ていましたが、宗祖のお姿をねぶたにして練り歩くとか他では無いような気がします。それだけ愛されているし、親しみを込めて作られているのがものすごく分かります。大師音頭も初めて聞きましたが、なんかもうエンタメに昇華されていて気持ちがいいぐらいです。

当たり前にあって、当たり前に愛されている。それがずっと続いていてこれから先もずっと続いていく。なんて素晴らしい世界なんでしょう。涙が出てきます。そんなお大師愛に溢れた前夜祭に参加できて幸せでした。この日を高野山旅に選んで本当に良かったと思います。

部屋へ戻り、お風呂の準備!お風呂は21時までなので早く入らないといけません。女風呂へと着くと先客がおり、急いで服を脱いで風呂場へ入ると洗い場が満員で居場所がなく、仕方なく素っ裸で脱衣所で数分もじもじしていました。ようやくマダムたちが湯船に入ったので風呂場へ入り事なきを得ました。そこで、数人が立ち去った後、一人のマダムと湯船に浸かりながら談笑しました。これぞ裸の付き合い。何故かお互い裸だと全然恥ずかしくないものですね。どこから来たとか、明日はどこ行くとか何気ない会話が楽しい。人との出会いは旅の醍醐味ですね。

部屋に戻り、若いお坊さんが敷いてくれたお布団に入り込んで一日の出来事を振り返り眠りに着こうとしていたら…眠れない。金剛峯寺でもランチでも宿坊に着いてからも緑茶を浴びるように飲んでいたからカフェイン摂取過多で眠れない!私はカフェインに弱い体質なもんで、警戒はしていたんですがやはり弱いんだと思い知らされました。

高野山2日目

何度も眠りから覚めては無理やり眠りに着こうとして奮闘した夜も明け、雨の朝を迎えました、あぁやっぱり雨かぁ。何週間も前からこの日の天気予報をチェックしていたので分かってはいたのですがやはり旅行中に雨だとちょっとテンションが下がりますよね。でもま、折り畳み傘も持って来てあるし、友達が「雨の日はお大師様が奥之院にいて皆を見守っているんだよ」と教えてくれていたのでそこまで残念には思いませんでした。ただ、今日がお祭り本番の当日、ちゃんと開催されるのか心配だなという思いでいました。

邪鬼ソックスでお勤めに参加

6時半から宿坊の本堂で勤行があるので参加させてもらいました。これも旅の楽しみにしていた一つです。最初、お堂に入った時暗くてよく見えなかったのが目が慣れてだんだんと見えるようになり蠟燭の灯りがまぶしいぐらいに感じました。宿坊の案内をしてくれたお坊さんが法衣を纏ってお勤めをされていました。作務衣姿で身の回りのお世話をしてくれているので法衣姿を見て本当にお坊さんなんだなと改めて思いました(疑っていた訳ではありません)心地よいお経の声がお堂全体に響き渡り、外から鳥たちのさえずりも聞こえてきて朝の清らかな時間を過ごすことができました。

勤行から戻ると朝食が用意されていました。おひつのご飯全部食べました。

聖地 奥之院へ

小雨が降る中、晴雨兼用の折り畳み傘をさして奥之院へ向かいました。

杉の木が連なる聖域

ついにお大師さまが今も生きて人々を見守ってくださっているという聖地へ。身が引き締まり凛とする思いです。雨もまた良い。苔がしっとりして静けさの中にある雨の音を聞きながら一歩一歩御廟へと近づく。

この先にお大師さまがおられる

御廟橋を渡ると霊域に入ります。ここから先は写真撮影も禁止です。

弘法大師の御廟を礼拝するお堂「灯籠堂」でお参りをすると何か込み上げてくるものがあり泣きそうになりました。お堂の裏に回りお線香と蝋燭をお供えし合掌。何とも言えない思いです。ここへ来れて良かった!胸がいっぱいになりました。

雨でもやる!青葉まつり

雨で開催が危ぶまれていた青葉まつりですが(私の中で)雨だから何?やるっしょ、というフットワークの軽さを思い知らされた青葉まつり当日!普通にねぶたもあるし(ビニールはかけられてました)花御堂渡御というパレードみたいな行列に雨合羽を着て並ぶ子どもたちと大人たち!地元の方が去年の方が大雨だったけど普通に開催されていたからこのぐらいの雨ならやりますよ~と言っていて、高野山の方たちのお祭りを絶対に成功させたい、お大師さまのお誕生をお祝いしたい!という熱き想いをひしひしと感じました。雨も強くなったり風も吹いてきたりしてるのにそんなの全然関係ないんです。“やる”一択なんです。こちらもそうと分かれば真剣に見ます!雨なんか気にしないよー!


青葉娘と稚児大師役の子が乗った山車

12時から花御堂渡御が始まり、鼓笛隊や稚児行列、大師音頭を踊りながら歩く行列が成し、雨でも寒くても関係なく、皆で空海さんの誕生をお祝いし楽しい時間を過ごすことが出来ました。むしろ雨で良かった。雨だからこその心意気、意地みたいなものを見せてもらい皆お大師さんが大好きで仕方がない、高野山全体を包む空気が心地よいのはそういう人々の想いもあるのだなと改めて思いました。

名残惜しかったけど帰らなければなりません。またすぐにでも高野山へ行きたい気持ちです。その時は買いそびれたお土産も買い、違う季節ならその時にしか見れない景色を胸に刻み、また何度も訪れたいと思います。

番外編に続く

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