龍谷ミュージアム特別展【アジアの女神たち】に行って来ました。

仏下

シブくてカワイイ仏像グッズのマシュロバです!

2021年9月18日〜11月23日まで龍谷大学龍谷ミュージアムで行われている特別展「アジアの女神たち」を観に行って来ました。

龍谷ミュージアムは京都駅から徒歩約12分の所にあるのですが、デッカい道路を挟んだ目の前には西本願寺があるんです!お寺好きにはたまらない立地、そしていつもだいたい空いている(すみません!ミュージアム的には厳しいと思いますが見る方としては快適)ので好きな博物館の一つです。

いつもマニアック?な展示が多いのでその点でも尖っていて好きです。そして図録も見やすくて可愛い。好きです。

とまぁ、龍谷ミュージアム愛を語ったところで肝心の「アジアの女神たち」についての感想を述べたいと思います。

世界の様々な地域において最初に造られた人型の造形物は女性の姿なのだそうです。母なる大地、豊穣、多産のシンボルとして崇められてきた女神像。

“仏像”と聞くとだいたい男性っぽいイメージが湧くと思うのですが(観音さまの中には中性っぽいお方もおられますが)天部には女性の吉祥天や弁財天、鬼子母神と言った女神たちが存在します。そんな日本の仏教界の女神たちのルーツが非常によくわかる展示内容でした。

アジア各国の女神像を見ていて思ったのですが、ここぞとばかりに胸が強調されている!中には乳を両手で下から持って、乳あるでしょアピールがすごい女神像や、インドのボンキュッボンな女神さまが展示されていました。図録の後ろの方の各論を読んだらインド美術ではリアリズムより、理想化したイデアリズムが求められているそうで、絵に描いた様なまん丸とした乳、細くくびれた腰、安産型のお尻は理想美を追求した形なんだなと腑に落ちました。

そんな各国の女神像と日本の女神像を見ていたら明らかに表現が異なることに気づきました。

…日本の女神像は胸が明確に表現されていない!!何故?!不思議に思って展示されているお像を見て回りましたが一体だけほんのりと乳のふくらみがあるお像がありました。それはそれはお上品に表現されているだけでインドみたいに、はちきれんばかりのわがままボディなお像は一切ありません。

胸以外にも腰つきやお尻の大きさもわからない。身体はたいてい着物で隠されていて性的な表現は皆無です。なんというかとても日本的で奥ゆかしいなと思いました。昔の日本人は神秘的な存在に対して生身の特徴を付け加えずにあえて淡々と、信仰の対象として余計な誇張はしない。女神像だけど“女”を強調しない。あくまでも仏さまであり、神様であると。

同じアジアでも国によって表現の仕方も違うし、同じ女神のルーツでも日本に伝わるとこうも変貌するのかと見ていて不思議で興味深かったです。そんな中で気になった女神像をイラストにしてみたのがこちら

久々にアナログで描いた

鬼子母神立像の着物の衿をがばっとおろした所に赤ちゃんが乗っている!それを支えるようにそっと包み込む母の愛がにじみ出るお像ですがまるで着物の衿部分が抱っこ紐のように見えるのは私だけ?!昔はこんな風に赤ちゃんを抱っこしていたのでしょうか。だとしたら元祖抱っこ紐では?!…(紐ではないが)ここでエルゴベビーの原型を見つけてしまうとは(?)

この女神像もこんなに着物をはだけていたらお乳の一つも見えそうなんですが全く表現されていないんですよね~。はぁおくゆかし

そのお隣の弁才天坐像の武器の多さよ!頂には体がヘビで頭が翁の宇賀神さまを乗せています。なんて不思議な要素が組み合わさったお像なんでしょう。こちらの弁才天さんもインドの女神さまがルーツなんです。あのわがままボディの女神さまは日本に伝わるとこんな感じになるんですね。

他にも気になる女神さまたちがいらっしゃいますのでぜひ龍谷ミュージアムに足を運んでみてください。

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