シブくてカワイイ仏像グッズのマシュロバです!
あべのハルカス美術館開館10周年記念【円空】展に行って来ました。
円空さんについては、日本各地を巡りながらたくさんの仏像を彫った仏師。という情報しかなかった私ですが今回の円空展で円空さんの生き様を感じ、その生涯を垣間見ることが出来たように思います。
省略化の天才
円空さんの作る仏像はとても個性的で他にはない独特さがあります。簡略化、省略化され、そのギリギリの線をいっているけれど信仰心や有難さは保ったままなのがすごい。極力手間などを省いて限界まで削ぎ落したシンプルな仏さま。それでいてユーモアのある表情や安らぎを与える温もりがある。
とにかく仏像をシンプルに作るために円空さんが編み出した技法、その独自性、センスが素晴らしい。
木の素材や素地を生かして仏を見出す。朽ちた木を再生し仏を彫り出す。まさにサスティナブルを体現した現代に通じるアーティストのようにも思えます。
無駄のないシルエット、勢いを感じるナタやノミの跡。一体一体をどのくらいのスピード感で仕上げていたのかも気になります。
デフォルメの天才
円空さんの仏像を描かせてもらって思ったのが、ちゃんとバランスが計算されていることです。
仏さまや対象物をデフォルメするのって案外、簡単そうで難しいものです。私もよく仏さまをキャラクターに起こすことがあるので、その加減は言葉では言えない難しさがあります。
頭と体のバランスだけじゃなく、全体のフォルム、トータルでおかしく見えないかなど気をつけて描いています。円空さんも元の仏さまからデフォルメする際にめちゃくちゃ気を使っていたのではと思いました。修験僧でもある円空さんは、仏さまに対して失礼に当たらないように、元のフォルムから逸脱しすぎないよう作っていたのかなと思いました。素朴なようで素朴だけではない円空仏。そう思うとより深みが増して見えてきました。
その独特な仏さまに辿り着くまでに、相当時間がかかったのではと思います。
円空さんにしか彫れない仏さま。私も私にしか描けない仏さまを描いていきたいと思いました。
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