シブくてカワイイ仏像グッズのマシュロバです。
今年の夏頃に、そういえば比叡山延暦寺にまだ行ったことないよなぁ、仏像やお寺が好きって言ってるくせに比叡山に一度も行っていないのは流石にまずいよなぁという思いがふと過りました。そんな思いを頭の隅に置いたまま時が経ち、そろそろ秋の旅の計画でも練るかと思っていたタイミングでたまたま東京の友人が遠隔でタロット占いをしてくれることになり、旅先におすすめの方角を占ってもらいました。
友人は、東~北の方角で歴史や文化のある安全な土地が良いのでは、とタロットで読み解いてくれました。
!これはっ比叡山に行っておけ!というメッセージやないかっ?!私が住んでいる奈良から見ると北はまさしく比叡山がある方角。歴史も文化もある、行くしかない。友人のタロット占いの結果に後押しされ、11月の連休最終日に延暦寺に行くことに決めました。
当日は早起きも出来てちゃんと朝ご飯も食べてちゃんとトイレも済ませ、体調も問題なく家を出ましたが、電車内で謎の腹痛に襲われ二度ほど途中下車をしました(汗)。京阪の三条駅で降りた時は特急待ちの数分間の間にトイレから戻ってきたタイミングで奇跡的に乗ってきた電車がちょうど発車!ギリギリで滑り込みセーフ。こんな、お腹もギリギリの状態で正直、延暦寺に行けるのかと不安になりつつも先へ向かいました。
叡山電車の出町柳駅に到着すると雨が降ってきました。予報では午前中に折り畳み傘マークがついていたのでそこまで降らないだろうと思っていたのも束の間、ケーブルカーから降り、ロープウェイに向かう頃には雨の降り方も強くなっていました。確かに、折り畳み傘があったから良かったけど、これは普通の傘ぐらい降ってるよね?おまけに強風で3人しか乗っていないロープウェイは風に煽られかなり揺れていました。


腹痛に雨に強風。延暦寺に行くまでにこれほどの試練が待ち受けていたとは。これは何かの禊なのかと自問自答しながら比叡山頂駅から比叡山頂バス停まで、山に住む生き物に怯えながら歩きました。
山頂は雨と風で真っ白で靄がかかっており眼下に広がっているであろう琵琶湖は全く見えませんでした。延暦寺東塔に向かうバスに乗り込みほっと一息したものの、バスの運転手さんの機嫌がなんか悪そう。圧のあるアナウンスが流れ、ピリピリとした緊張感に包まれるバス車内。無事に延暦寺に着いてくれ!と願わずにはいられない。案の定、途中のバス停で降りようとした外国人二人組が後ろの扉から出ようとしてしまい、不機嫌運転手が前から降りて!お金払って!傘!とかなりブチギレる勢いでまくし立ててました。外国の方、異国の地でわからないことも沢山あるだろうし、ましてやバスのシステムなんて会社ごとに違うから私でも不安なのにあんなにキレられて不憫やなぁと胸がぎゅっとなりました。
そしてなんとか延暦寺バスセンターに到着(東塔最寄りのバス停)。極寒!かなりの寒さで体力を奪われそうなのでお土産屋さんで小休憩。中にはダウンを着ている方もいて、それ正解、と心の中で親指を立てました。しばしお土産物色。ふむふむ延暦寺はこういうラインナップかぁ。ずっとここでぬくぬくしていたいけどそうは行かない。寒さに負けじと自分を奮い立たせ、東塔へいざ向かいました。


大講堂に入ってお参りし、見渡すと石油ストーブがありました。周囲には雨で濡れて冷えた手や足を温める人たちが。私も仲間にいれてもらい足をストーブに向けました。もちろんこの日も仏下で決めてきました。

延暦寺はいくつもお堂があり、頻繁に靴を脱ぐので足裏から邪鬼がちらりと見える邪鬼ソックスを履いていっても楽しいかと思われます。
大講堂を出ると雨が止み出し、青空が見えてきました!

さっきとは大違いのお天気。日差しが眩しいくらい!晴れ間も広がり眼下に琵琶湖が見えました。

鐘楼でついてみたかった鐘を一人でつき、鐘の音の振動に感じ入る。

そして延暦寺の総本堂、根本中堂へ!

根本中堂は改修中のため、素屋根に覆われていますが逆に今しか見れないレア姿なのでポジティブに受け止めました。でも、改修が終わったらぜひそのお姿拝見させていただきたい!
お堂の中には1200年間消えることなく輝き続ける不滅の法灯があり、これが噂の不滅の法灯かぁとしみじみ。タイミングよくお坊さんの法話も聞けて満足。

急こう配な階段を上り、文殊楼へ。

楼上には「知恵の文殊菩薩」が祀られているそうです。

アップダウンが結構あるので膝がヤバめ。そろそろ休憩&昼食を兼ねて延暦寺会館へ。

延暦寺会館は宿坊もあるので、お泊りになられます。そしておしゃれな売店もあったのでちょっと人と差をつけたいお土産を求めている方はこちらの売店がおすすめです!(回し者ではありません)

お腹を痛めていたのでお昼はお腹にやさしいうどん御膳にしました。やさしいお味とおうどんでお腹も体も温まりました。

なんと言っても琵琶湖ビューが最高。うどんを食べながら琵琶湖が見れるなんて乙ですね。

所々、紅葉もしてたので綺麗でしたね~。晴れてくれて本当に良かった。


阿弥陀堂の横、法華総寺院東塔では「法華総寺院東塔特別公開」をしていたので拝観してきました~11/24まで。堂内には五智如来や美しい壁画があり、解説をしてくれるスタッフの方もいて色々と説明してくださいました。
お次は国宝殿へ。延暦寺にはどんな仏像がいらっしゃるのかなぁと楽しみにしていた国宝殿。

平安時代に作られたという四天王像を見ていたらびっくり。多聞天さんの足元の邪鬼さんが異様にデカい。多聞天さんのサイズ感と邪鬼が合っていない?もしかして邪鬼は後補なのかな?と思ったけれど解説にはそこら辺が触れられていないのでわかりませんが、ポーズは完全に法隆寺金堂の邪鬼、そしてお顔は當麻寺の広目天の邪鬼の表情に似ている!仏師さんは奈良の古刹の邪鬼を参考にしてこの邪鬼を作ったのかなと思いました。あと、不動明王の眷属、矜羯羅童子がめちゃくちゃ美少年で見惚れました。ワンレンで目鼻立ちくっきり、かなりの美形です。

2階展示室では秋季企画展「仏教と子ども」も開催されていました~12/8まで。

3階展示室は延暦寺の歴史を紹介するパネル展示や大法会結縁潅頂(だいほうえけちえんかんじょう)の映像が流れていました。と、なにやら部屋の片隅にカーテンで仕切られた空間がありお坊さんが立っておられるではありませんか。どうやらカーテンの中で大法会結縁潅頂の模擬体験が出来るそうで数人並んでいたので私も並んでみました。結縁潅頂とは曼荼羅の上に華を投じ、華が落ちた場所の仏さまと縁を結ぶ儀式です。 体験なので本物の曼荼羅ではありませんが目を瞑って両手に挟んだ散華を投じてみました。「はい、左です」とお坊さんが散華の落ちた場所を教えてくれ、投じた散華もくれました。左かぁ、これは気になる。実際に結縁勧請をして本物の曼荼羅の上に華を投じて仏さまとご縁を結びたくなる!こんなちょっとしたテーマパークのような仕掛け、すごくいいと思いました。

東塔をじっくり拝観して国宝殿も満喫したので思っていたより時間が経っていました。比叡山延暦寺は東塔・西塔・横川の三つのエリアに別れているのでうまいこと時間配分しないと周りきれないかなと思っていたら案の定、全部周るのは無理そうなので今回はちょっと遠い横川は諦め、西塔を周ってから帰ることにしました。
バスで西塔に行き、弁慶のにない堂と呼ばれる常行堂・法華堂を見て、釈迦堂にお参りしました。


釈迦堂にはなんと、深沙大将がいらっしゃいました!ご本尊の脇待として祀られています。これにはテンションが上がりました。お堂が暗くて見えずらかったのですが拝見できて嬉しかったです。
初めての比叡山延暦寺、最初は無事に辿り着けるかかなり不安でしたが、着いたら気持ちよく晴れ、たくさんのお堂、仏像も拝見でき、綺麗な琵琶湖も眺めることができて良いお参りになったと思います。次は根本中堂の大改修が終わったらお参りに行きたい!

帰りはまた同じルートで戻り、お土産で買った大津絵グッズを眺めて延暦寺の思い出に浸るのでした。




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